治療例 Report
足元のふらつきによる右肩の強打痛
K・Sさん 年齢:80代 性別:女性
主な症状
寝つきが悪いため、眠剤を内服したが、浅眠だった。トイレにいったん起きた時にふらつき転倒。翌朝起きたら肩が痛むので、整形外科を受診。骨折陰性。鎮痛剤と湿布を処方されたが、効果を感じず当院を受診。右肩の外旋、外転、挙上時に痛みと可動域制限あり。結帯、結髪動作がしにくい。
治療内容
既往歴:高齢で脊椎上に4箇所圧迫骨折有、胃がんで胃の1/3を切除(こちらも嘔気、胃部不快感で当院で治療済。現在完治)。話口調ははっきりとしている。社交的だったが、コロナ禍で以前よりあまり外出しなくなった。最近はいろいろなことが億劫のよう。骨粗鬆症、手足の冷たさ、腰の弱さ、気力減退もあるので腎陽虚と証立てし、本治穴には太渓を選穴。右肩の痛みには、痛い動作をしながら大結節、中府、肩髎に刺鍼しながら運動鍼をした。施術中も可動域が上がり、痛みも軽減した。
治療頻度
1回/週、現在3回目
経過
良好
NRS:10/10 → 5/10
自宅では、毎日太渓と痛みのある箇所に施灸を指示
声にもハリが出てきた。日常動作が楽になってきたとのことで本人も喜んでいた。
担当者
小倉 愛
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鍼灸の適応 Adaptation
WHO(世界保健機関)による鍼治療が
有効とされる疾患の暫定リスト
頭痛、偏頭痛、三叉神経痛、顔面神経麻痺、メニエール氏病、白内障、急性結膜炎、近視、 中心性網膜炎、急性上顎洞炎、急性鼻炎、感冒、急性扁桃炎、歯痛、抜歯後疼痛、歯肉炎、 急性咽頭炎、急性気管支炎、気管支喘息、食道・噴門痙攣、しゃっくり、急性・慢性胃炎、 胃酸過多症、胃下垂、麻痺性イレウス、慢性・急性十二指腸潰瘍、急性・慢性腸炎、便秘、 下痢、急性細菌性下痢、打撲による麻痺、末梢神経系疾患、多発性筋炎、神経性膀胱障害、 肋間神経痛、頚腕症候群、坐骨神経痛、腰痛、関節炎、夜尿症
その他、鍼灸の適応症として以下のものが挙げられています。
- 【運動器疾患】肩こり、五十肩、頚椎症、変形性膝関節症、腱鞘炎、テニス肘 etc.
- 【呼吸器疾患】過呼吸症候群、神経性咳嗽、風邪による諸症状の緩和 etc.
- 【消化器疾患】消化性胃潰瘍、潰瘍性大腸炎、過敏性大腸症候群痔疾、食欲不振 etc.
- 【疼痛性疾患】頭痛、坐骨神経痛、術後疼痛、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛 etc.
- 【循環器疾患】低血圧症に伴う諸症状、冷え症、本態性高血圧症 etc.
- 【泌尿器疾患】過活動膀胱、インポテンス、失禁症 etc.
- 【産婦人科系疾患】月経異常、更年期障害、逆子、不妊 etc.
- 【感覚器系疾患】仮性近視、眼精疲労(疲れ目・ドライアイ等)、耳鳴り、難聴 etc.
- 【小児疾患】夜尿症、小児神経症、小児消化不良症 etc.
- 【その他】不眠症、肥満症、自律神経失調症、片麻痺、顔面神経麻痺、アレルギー疾患 etc.